開放的キッチンから望むパノラマ風景とゆとりの暮らし

A.Imamura A.Imamura
飯塚の家, 松本匡弘建築設計事務所 松本匡弘建築設計事務所 Modern kitchen
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大きな窓からたくさん光が降りそそぐ開放的キッチンのある住まい、憧れますね。実は、マイホームを建築するとき、日本で一番多い注文は、「大きな窓のある開放的キッチン」と言われています。内と外が繋がる開放的なリビングキッチンのある暮らしとはどんなものでしょう?今回は、そんな誰もが憧れる開放的で、明るい、広々としたキッチンリビングのある住まいの様子をご紹介していきます。

開放的キッチンとパノラマ風景

こちらは、松本匡弘建築設計事務所が手がける大きな窓のある開放的キッチンリビング。飯塚市に住む若い夫婦のために計画されたこの家は、緑に囲まれた豊かな敷地と周辺には農業用のため池があり水を求めた野鳥が生息し、いろんな鳥のさえずりが耳に飛び込んでくる穏やかな環境に建っています。この敷地の特性を活かし、緑に囲まれた敷地の特に南側に広く開放できる窓を設置することで、パノラマ風景と光を限界まで家に取り込むようデザインされています。開放的なキッチンリビングは真南の方向で、日中やお天気のいい日は、明るく差し込む光と鳥のさえずりを聴きながら家族でゆったりとした食事の時間が持てます。

外と内が繋がる明るく開放的キッチンリビング

こちらは、久保田英之建築研究所が手がける吹き抜けと大きな窓で演出する開放的なキッチンリビング。近くの森林公園を望むことが出来る緑あふれる高台にこの建物は建っています。あえて魅せた梁にシーリングファンを取り付けた高い天井は、大きなキッチンリビングの窓と相まってリビングに沢山の光をもたらします。昼間の採光には吹抜けの中央にトップライトをつ くり、日時計の陽が入る様に工夫されています。お天気がよくない日であっても 朝から夕方、日が暮れるまで いっさい電気を付ける必要がありません。冬の時期は日が暮れる時間がはやいですが、夏の日が長い時期は、午後7時前まで電気をONにしなくても過ごすことができ、電気代の節約にもなりますね。

スペースのフレキシブル性

森下新宮建築設計事務所が手がける「sky and light house」と名付けられた住まいを見てみましょう。開放的キッチンの南側には、大きく風景を取り込むことが出来るよう三方を横引きのガラス戸に仕上げ、開放すればキッチンと縁側が一体化する広々としたキッチンスペースが出来上がります。住まいのプライベート性を重視しつつも可能な限り仕切を設けず、可動間仕切を設ける事で、南北の繋がりを設け、スペースのフレキシブル性を有しています。このようなスペースのフレキシブル性は、集落の祭事にも対応できる、大規模な冠婚葬祭にも対応できるような空間として活躍します。

環境エネルギーに配慮し過ごしやすく

こちらは、KAZ建築研究室が手がける閑静な住宅街の一角に建つ4人家族のための住まいです。道路に向いた大きく開放的なリビングの窓は、手前に広がる庭の芝生と土間を室内に連続させると共に、道行く人たちと挨拶を交わしたりする地域とのコミュニケーション機能を併せ持ちます。

開放的キッチンリビングは憧れですが、気になるのは環境エネルギーコストではないでしょうか?「大きな台所の窓は、夏の直射日光を受けて暑く、冬は冷えるのではないか?」 こちらのKAZ建築研究室が手がける住まいは、開放的なキチンスペースと他の部屋をワンルームのように大きく繋げることで、薪ストーブの暖房効果を高めています。また、大きな屋根には断熱性の高い芝生が植えられクールダウン効果に配慮、南側に均等に張り出した梁はグリーンカーテンになり夏場の猛暑を快適に過ごせるように考慮されています。大地の緑と住まいが一体になることで、自然環境を考えながら、そして地域との関わりと家庭内コミュニティを大切にする素敵な住まいです。

クレジット:KAZ

見えやすいは見られやすい?

開放的なキッチンリビングの窓は中から外の様子がよく見える一方で、外からの視線がどうしても気になります。住まい環境によっては、仮に大きな窓を設置したとしても、日中はミラーレースのカーテンでもひかなければ落ち着いて生活できないという人もいるでしょう。また、日が落ちて部屋の電気を点ける時間帯は、影の映り込まない厚地のカーテンをひくことになります。住宅密集地など、住まい環境によっては開放的を楽しみながらプライバシーを保護のアイデアが必要となる場合があります。

開放的なパノラマ窓に適した建築構造は?

大きな窓がある開放的キッチンは魅力的ですが、気になるのは耐震性。大きな窓があるキッチンリビングは、大きな窓を設置すると、壁に大きな穴を開けることになるので、建物の構造がどうしても弱くなります。特にツーバイフォーの場合、開口部をできるだけ小さくするというのが地震に強い家の条件と言われています。

鉄筋コンクリートや鉄骨ラーメン構造などは耐震性があり、コストは高くなりますが自由度の高い間取りが可能となります。また木造では、SE工法‐Engineering For Safety(工学的で安全な工法)が考えられます。SE工法は、木造家屋の弱点である接合部を金物に置き換え、品質の安定しない従来の構造材を使うのではなく、強度の確かめられた構造用集成材を利用し、実験に基づいた構造計計算で信頼性を高めた工法です。一般の軸組み木造より少ない量の耐力壁で作ることが出来るので、間取りの自由度が高く、大空間を作ることができるといわれています。

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