木造平屋住宅の魅力

A.Imamura A.Imamura
SKY & SEA of HORORO, くりえいと創 くりえいと創 Living room
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家族の高齢化によるバリアフリーの必要性や、核家族や少子化による世帯数の減少などにともない、そんなに多くの部屋数を必要としない今、平屋住宅が持つメリットが現代の住宅事情に適した住宅として見直されています。また、そんなに土地が広くなくても建てられるプランも数多く出てきているため、より現実的に購入が検討できるようになりました。今回は、そんな木造平屋住宅のメリットをご紹介します。

みんなに優しい住まい

こちらは子育てが終ったご夫婦のためにEGAWA ARCHITECTURAL STUDIOが手がける三重県桑名市に建つ木造平屋建ての住宅です。山の中腹に立地し、その景観を楽しむ眺望を重視しデザインされています。特に、木造平屋のメリットに「移動のしやすさ」が挙げられます。階段を掃除機を持って上り下りするのはたいへんですが、木造平屋ならば掃除がとても楽です。また老若男女関係なく、移動のしやすさというのはメリットではないでしょうか。バリアフリーのデザインも導入しやすく、子育てを終えた夫婦やハンディキャップを持つ人などにとっても優しい住みやすい住まいです。

災害に強い構造

木造平屋は、高さが低いため2階建てに比べて構造的に強く、台風・地震時にも危険が少なくなります。こちらは加藤武志建築設計室が手がける湖西の平屋。「遠州の空っ風」とよばれる強い風が吹く浜名湖に面して建つ木造平屋は、立地環境を考慮し、建物外観は低目に抑えた切妻屋根のシャープなプロポーションで風を止めずに受け流すことで構造的に災害に強く作られています。切妻屋根の下の室内は、リビングとダイニングを大きく繋ぐことで開放的に、また大きな切妻屋根を活かし広い縁側を設けることで、リビングへ風を取り込むことができます。閉塞感や圧迫感を感じることなく、家の中で開放感を楽しみながら風通しの良い空間をデザインしています。

メンテナンスのしやすさ

木造平屋のメリットの一つにメンテナンスのメンテナンスのしやすさが挙げられます。木造平屋は、上層階の柱や壁のことを考えなくても良いので「間取り=建物の構造や外観」と直結するのが特長です。

こちらは、GOOD DESIGN2014を受賞したGOTO HISAYOSHI DESIGN OFFICEが手がける木造平屋の長期優良住宅。「長期優良住宅」とは、新築時の建物プランにおいて長期的に良い状態を保つことができるものであり、且つ新築後の維持管理・メンテナンスのし易さも考慮されたものです。新築された時点だけではなく、将来のメンテナンスのし易さまで評価する点が特徴的です。具体的には、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性で一定の性能を求められており、また居住環境や住戸面積も条件となっています。メンテナンスのしやすい木造平屋ならば、「良い家をつくって きちんと手入れをして長く大切に住まう」ということが可能になります。

プライバシーの確保

House of Nishimikuni, arbol arbol Modern living room

木造平屋には、プライベートな空間が確保しにくいというデメリットもあります。ここでは、都心の平屋とはどのようなものかみてみましょう。こちらは、ARBOLが手がける都心に建つ平屋。周辺環境とのプライバシーの問題を屋外空間の扱い方で解消した例です。隣地にある公園や周囲のマンション等からの視線、敷地内から周辺建物に対する視線に 配慮しつつ、街並みにも調和するよう、シンプルに木箱のような木造平屋の外装です。また中庭をコの字型に設けることによって、各部屋で庭を眺めることができ圧迫感のない室内空間に仕上げています。まるで森の中にいるかの様な、深い奥行感と、集合住宅の並ぶ町にたたずむ小さな箱庭は、建築面積の広さや利便性に縛られることなく、心地よい住まいを生み出しています。

ワンフロアと天井高

木造平屋のシンプルな構造は、外とつながる開放的な空間開口部が多く広いのが特長です。室内にいても外の風景や庭が見わたせたり、内と外がつながる一体感が開放的な空間をつくり、暮らしにゆとりを感じさせます。また、ワンフロアなので天井を高くとることができ、開放感のある空間をつくることができる点もメリットです。木造平屋のデメリットでもある採光の点は、この天井高と開放的な間取りで解消されます。

Photo:Shingyo Ozawa

広い敷地面積が必要?

木造平屋では、平屋で部屋数や収納を確保しようと思うと、どんどん面積が大きくなって、予算も膨らむ… やっぱりある程度の敷地面積が必要?と思われる方も多いでしょう。それでは、実際に20坪ほどの床面積を持つ木造平屋をみてみましょう。

こちらは、20坪の平屋です。南側に面する窓は、全面を断熱サッシと複層ガラスで構成し、全長に渡る水盤(ウォーターテラス)に反射した光が室内へ揺らぎながら入り込み、更に夏場はその水盤で冷やされた外気が冷風となって入ってくるよう家の細部にまで配慮がなされています。小さな木造平屋だからこそできる室内環境への高い配慮、エネルギーコスト削減ではないでしょうか。

【平屋については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 平屋の魅力まとめ6選   

※ 平屋と2階建て、どちらを選ぶ?   

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