自然に囲まれた森の中での生活、一度は憧れた人も少なくないはず。市街地であっても、自然が残っている場所は意外とあるものです。今回ご紹介するジャムズが手掛けたこちらの住まいも宅地化が進む埼玉県川越市に位置しますが、敷地のある一帯には森が広がりオオタカも生息しているそう。そんな緑あふれる場所での生活を満喫できる住まいです。では早速見て行きましょう。
photo:isao imbe
クライアントは30代のご夫婦で、敷地はご主人が生まれ育った実家に隣接した土地です。ご主人にとっては愛着あるこの場所で、森との良い関係を作り出すことがこの家づくりでのテーマとなっているそうです。実家はこの敷地の北側に位置しているため日陰を作らないよう建物の高さを抑えて勾配屋根にしています。また森の中から見えるシルエットが美しいものとなるよう注意を払いデザインされています。
前面の大きな開口が口を開けている動物のようにも見える面白みのある外観です。あえて少しゴツゴツした印象になるようポンチ痕がつけられた屋根、壁によって周囲の風景により馴染む佇まいとなっています。
オープンスペースのリビングダイニングキッチンの様子です。小屋組みの開きを抑えるための張弦梁が連続し、空間に心地よいリズムを与えています。壁、天井にはラワンベニヤに塗装したものが採用され、あたたかみのある空間を演出しています。
内部はスキップフロアで構成され、寝室・水廻り、キッチン・玄関、リビングそしてロフトという順に渦巻き状に上がって行きます。リビングなどくつろぐための場所は目線を樹々に近づけ、よりリラックスした時間を送れるよう、地盤面からおよそ1.2mの高さまでレベルが上げられています。段差を利用した視覚効果でさまざまな風景を楽しむことができますね。
リビングの階段を上ったロフトにはカウンターが造り付けられ、ワークスペースとして利用することができるようになっています。ちょっとした工夫でスペースを有効活用できますね。