理想的な住宅の大きさはどのくらいを想像するでしょうか?マイホームを計画する際は、つい理想がたくさんふくらみ現実よりもずっと広い家を想像してしまうかもしれません。しかし、ライフスタイルにより実際に必要な大きさを検討してみると、想像よりもずっと予算や敷地を効率よく使えることもあります。今回ご紹介するのは、69.20㎡、約21坪弱の木造住宅です。建物内の高低差や居室の使い方に工夫を凝らし、狭小住宅ではありながらコンパクトな中に広さを感じる家に仕上がりました。プロダクトデザインも手がけるTABがデザインした住宅です。
大きく伸びた庇がインパクトのあるエントランス。庇は無垢材があしらわれ、夜の光に照らされて温かみのある雰囲気を醸し出しています。木造のガラスサッシからは内部の光が透けて見え、まるでショップのような印象を与えます。全体の形はシンプルなキューブ型ですが、この庇がモダンでオリジナリティを感じる演出をしています。この庇の高さは2.1mと通常よりも低く設定され、この高さが横に伸びる視覚効果を与えます。内部の玄関兼用の土間リビングはこの庇と同じ天井高さとすることにより、内部から見たときに庇の軒天井とつながりをもち、実際以上に広く感じる工夫がなされています。
狭小住宅というと、必要なスペースを妥協しなければいけないのでは、と心配になることもあるのではないでしょうか。しかし、すべての部分に諦めを詰め込んでしまうと、住みはじめてからの不満がたまってしまいます。こちらのキッチンは、必要とする広さはしっかりと確保し、使いやすいようなレイアウトでオーダーされました。周囲の内装と同じ塗装の色を使い、空間になじむ佇まいと、壁面にあしらわれたレトロさのあるタイルで居心地の良いキッチン空間が仕上がっています。
土間リビングからは、スキップフロアによってキッチンのあるDK、そして2階の各居室へと空間がつながります。1階と2階、というはっきりとした区分けよりも、空間を途切れさせることなくゆるやかにつながることで、狭小住宅のコンパクトさを感じさせません。木造の住宅であれば、こうした高さの自由度を高める設計ができる可能性も広がるのがメリットです。箱型のような階段が遊び心をくすぐるポイントになっています。ここに腰をかけながら薪ストーブの炎をながめる時間も楽しむことができそうです。
「玄関ホール」という空間を設けず、土間がそのままぐるりとフロアを囲むスペースを土間リビングとしています。玄関という形式的な形を持たないことで、限定的な用途にとどまらず自由な使い方をすることができるでしょう。この土間があることでフロアスペースがより広くなり、出入りだけに使う玄関を日常的に取り込むことで無駄のないスペースを実現しています。狭小住宅からはこのような工夫された手法も学ぶことができるのではないでしょうか。土間リビングを利用して薪ストーブが設置され、家中を暖めながら安らぎをもたらします。
一階は土間リビングになっていますが、2階に設けられたスペースは、将来子供部屋になるリビングとして使います。限られた狭小スペースは、将来のライフスタイルを考えることでフレキシブルに使える間取りとなっています。その中間に位置するキッチンは、リビングのメインが1階であっても2階であっても使いやすい位置になり、この吹き抜けを通して家族とのつながりも生まれるため孤独感を感じることはありません。この吹き抜けは、薪ストーブによって家中にあたたかさをもたらし、また遊び心のある空間を演出するポイントにもなっています。
土間リビングからは、スキップフロアによってキッチンのあるDK、そして2階の各居室へと空間がつながります。1階と2階、というはっきりとした区分けよりも、空間を途切れさせることなくゆるやかにつながることで、狭小住宅のコンパクトさを感じさせません。木造の住宅であれば、こうした高さの自由度を高める設計ができる可能性も広がるのがメリットです。箱型のような階段が遊び心をくすぐるポイントになっています。ここに腰をかけながら薪ストーブの炎をながめる時間も楽しむことができそうです。
【土間については、こちらの記事でも紹介しています】
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