「飼う」から「共に生きる」へ:ペット共生住宅

Rei Watanabe Rei Watanabe
トリミングルーム, 稲山貴則 建築設計事務所 稲山貴則 建築設計事務所 Walls
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高齢のご家族、小さなお子様、特別な趣味やお仕事、家を建てる時には、住む人の色々な特徴や要望を取り入れ、暮らしやすい場を作り出して行きます。ペットは家族の一員であることはもちろん、最近では多くの家庭で、子供に替わる家族の中心になって来ています。ペットの種類や性格に合った家作りは、ペットの為だけではなく、ペットの為を思う飼い主への贅沢です。今回は、ペットの為に設計されたお家や、ペットとの暮らしを考慮したリノベーションを、ご紹介します。

愛犬家に優しい家

ARCHSOL DESIGNによるこちらのお宅も、設計時より4匹の愛犬の、そして何より犬を買うクライアントご夫婦の使いやすさが考慮されています。汚れも拭き取りやすい白いタイルに、インテリアだけでなく犬たちも美しく映えます。ごちゃごちゃせずにスッキリと片付けられるよう収納がとってあり、電話やルーターも纏めてあるので、犬も自由に走り回れますね。

写真:イクマ サトシ

屋内外の長いスロープ

前田敦計画工房によるこちらのお宅は、愛犬が自由に走り回れる様に家の中から外までスロープを付けてあります。建物の外壁に沿って回遊する様に付けられたスロープは大変長く、これだけの距離を走り回れれば、運動不足の心配もありません。ダイニングから中庭へはデッキで繋がっており、デッキから芝生部分へもスロープが付けられています。芝生部分もスロープを描いて植樹のある前庭前部へと繋がります。

猫に至れり尽くせりの家

UNICO DESIGN一級建築士事務所によるこちらの家は、猫を3匹飼うご家庭の為に建てられたものです。猫のトイレの置き場というのは意外と置き場に困るものですが、こちらのお宅では設計時に猫のトイレ置き場を想定しています。他にも縦方向の運動が出るような工夫、爪研ぎを防止する壁材や掃除のし易い床材など、至る所に気配りがされており、愛猫家の痒い所に手が届く設計です。

写真:624 PHOTO村田雄彦

自宅にドッグラン

高橋直子建築設計事務所によるこちらのお宅は、一階に大きく設けられたドッグランが、全ての愛犬家にとって夢のようです。階段の横にはスロープが設けられており、小型犬も楽に上り下りが出来るようになっています。角度の急なスロープも滑らない素材で包まれており、上り下りもまた、楽しい運動になります。楽しい階段の上は天窓まで続く吹き抜けになっており、建物全体を明るく照らします。

猫が自由に遊べる中庭

設計事務所アーキプレイスによるこちらのお宅は、愛猫が自由に行き来できる場所と、人間だけが使う場所を明確に分けることで、ストレスの無い共生を目指しました。広々としたウッドデッキは、充分な高さの木塀が設けられており、猫がうっかりと隣家に迷い込んだり車道に出て心配なく、自由に遊ばせることができます。東と南から日の射すデッキは、日向の好きな猫にとって、とっても嬉しいスペースです。

犬のマイルーム

こちらは、稲山貴則 建築設計事務所による築16年の賃貸物件のリノベーションです。無ければ暮らしづらいものの、見た目にはインテリアの邪魔になりがちなエアーコンディショナーを、柱状の壁の中に収納してしまいました。その収納の下、柱の下部が愛犬のプライベートスペースとなっています。部屋全体の温度を調整する空調は、リビングダイニングの中央に位置しています。つまり部屋のどこからでも犬の寝床が目に入る、犬の側からも、自分の部屋に居ながら家族の居る部屋全体を見渡せる場所になっています。

猫が家族を俯瞰できるロフト

和泉屋勘兵衛建築デザイン室によるこちらのお家は、それぞれ別の機能を持つ二つの庭が建物を挟むという構成になっています。通りに面した庭は眺める為の庭、家の中からも道往く人に取っても心静まる枯山水です。一方中庭は、建物全体が大きく開かれており、完全なプライベートスペースになっています。壁の無いロフト部分は、高いところから下を見下ろすことが大好きな猫のお気に入りの場所になることでしょう。明るい中庭と木、ダイニングに寛ぐ家族を見下ろせる位置で、日向ぼっこをする猫の姿が目に浮かびます。

猫のトイレ用入り口

O-RENOVATION, TOFU TOFU Modern houses

こちらのお宅は、愛猫家が暮らし、仕事をする為に、TOFUによりリノベーションされました。どの部屋も、細部に至るまで大変洗練された美しさがありますが、見せる為のものだけではなく、使い心地を第一に考えたデザインとなっています。猫を飼ったことのある人にはよく分かることですが、猫のトイレというのは使用直後に強い臭いがあります。こちらのお宅は猫のトイレ用の入り口が設けられています。猫がくぐれるだけの小さな開口部は部屋に臭いが広まることを防いでくれます。

猫のプライベートスペース

犬は走り回れる広さを喜びますが、猫というのはそれ程、横方向の広がりを必要としません。その代わりに、縦方向の運動が出来ないことは猫にとってストレスとなります。こちらのお宅はオシャレな棚のような階段、そして階段の上にはリビングをぐるりと一周回遊できる棚がつけられています。時に一人の時間を好む猫が、人間に邪魔されず高い位置で、自由に遊んだり寛いだりできますね。

人も猫も癒す庭

最後に一つ、ヒグラシ園芸店によるこちらのお庭は人間にとって見て美しく歩いて心落ち着く本格的な庭園ですが、写真の猫があまりに心地良く寛いでいるので、ペットと暮らしへの一つの提案としてこちらで紹介させていただきます。大きめの石、茂み、昆虫、猫にとっては楽しいものがたくさん詰まった庭、低い段差の階段を枕にゴロリ、リラックスの場所としても最高ですね。ペットも人間と同様、植物との触れ合いに癒されます。

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